CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

1Y Autumnの振り返り:Marketing Strategy

私がAutumn Quarterに受講した授業の中でも、一番お気に入りだった「Marketing Strategy」について、深堀してみようと思います。

 

教授について
僕の受講していたMarketing Strategyを受け持っていたAnita Rao教授は、インド出身の女性で、「a PhD in marketing from Stanford University and a MS in transportation engineering from Massachusetts Institute of Technology.」という経歴。ティーチングスタイルは極めてベーシックで、非常に丁寧に、マーケティングの基礎を教えてくれました。

https://www.chicagobooth.edu/faculty/directory/r/anita-rao

 

クラスについて
3時間の授業のうち、前半がケースディスカッション、後半が次週のケースに関連するレクチャー。この、レクチャーがしっかり1.5時間あるのが個人的にBoothをよく表していると思っていて、ケーススタディだけではなく、しっかりアカデミックな理論、背景知識を教えてくれます。


カバー範囲としては、いわゆる3C、STP、4Pで、伝統的なマーケティング理論を10週間かけてじっくり学ぶことが出来ました。
レクチャー、ケースディスカッションともにインタラクティブに講義は進んでいきますが、特にケースディスカッションでは活発に学生同士、また学生と教授の間で意見交換がなされます。
ただし、いわゆる「成績のための発言」「発言のための発言」といったものはほとんどなく、きちんと発言したい学生が発言したいことを述べています。これは、いわゆる「発言点」が成績全体の10%しかなく、そのほかの要素(レポート、テスト等)もしっかり成績に反映されることがあると思います。これは良し悪し、というよりは、授業の特徴の一つ、というところでしょうか。

 

予習、授業の準備について
①個人学習
それでは、具体的に自分がどのようにこのクラスに取り組んでいたのか、その一例をご紹介します。


まず、授業を受け終わると、次週までのクラスの準備をするため、Boothの学習用イントラネットにアクセスします。そこには、履修している授業ごとにオンライン上のダッシュボードのようなものができていて、そこから来週の講義資料や課題を確認します。
このマーケティングのクラスですが、おおよそ資料として


・次週の授業に関連するリーディング(HBR等)が数十ページ
・次週の授業で取り扱うケース(週1ケース)


が与えられ、まず自習として、それらを読むことから始めます。


②グループ学習
だいたいの内容を確認し終わったら、Slack等を使い、ライティング課題を一緒に取り組むメンバーに連絡を取ります。
このマーケティングの授業では、ケースの内容について、毎週グループでワード1枚~3枚程度のレポートを提出する必要があり、週の後半では、グループメンバーでレポート作成に取り組むことになります。


グループは、特に学校から指定されることはなく、初回のクラスで周りの人と話して4人グループを作りました。
いわゆるスタディグループがアサインされることはありません。どんな人とグループを組むか、どんな風に課題を進めていくか、すべてが生徒の自主性に任せられているのも、Boothの特徴の一つです(もちろん授業によっては、グループが指定されていることもありますが、数は多くありません)。
私のグループでは、週1回はメンバーが集まってケースの内容や、ライティングの流れについてディスカッションをし、そのあと具体的にレポートをまとめる段階ではリモートで作業をしていました。


大体授業前日~当日の朝にレポートを提出し、授業を受けると、マーケティングの1サイクルは終わりです。

 

気になる毎週の勉強時間ですが、3時間の授業とは別に、個人のリーディング、グループでのディスカッション、ライティングを総合すると、+4~5時間程度の勉強量でしょうか。

 

テストについて
テストは学期中に3種類ありました。
①Mid-term exam
授業一回を使って、クラス内で3時間のテストを受けました。基本どんなものも持込可能で、知識というよりは、今まで習ったことを使って、その場でどう考えるか、どう分析するかを記述するテストです。


②Final exam
Examとなっていましたが、実質は個人ワークのケースライティングで、普段グループでやっていることを個人で学期末にやって下さい、という内容でした。毎週のグループ課題に真面目に取り組んでいたので、それと同じ要領で進めればよく、助かりました。


③In-class presentation
学期の最後の授業は、In-class presentationの授業となっており、これが実質的なFinal examでした。課題としては、組んでいるチームで一つ、マーケティングに関するニュース記事をピックアップし、今まで習ったことを使って、ニュース記事を分析し発表します。発表時間はグループで10分、そのあと質疑応答です。
私のグループは、アディダスのハイキングシューズ開発、マーケティング戦略についてプレゼンテーションしました。時間がない中、みんなで必死にパワポと格闘し、原稿をまとめ、リハーサルをし…という感じで、なかなかハードでしたが、発表はうまくいって一安心。

 

Takeawayについて
個人的なこのクラスのTakeawayについては、2点あります。
①Marketingに関する基礎的な内容を総ざらいできた
特にコンサルティングファームの面接が本格化する前のAutumn Quarterで、マーケティングの授業をしっかり受講することが出来、良い事前準備になりました。これは、どのタイミングでどの授業を履修するかも個人の自主性に任せられている、Boothならではと実感いたします。


②Group Discussionの良い練習になった
毎週のグループディスカッションが、個人的にすごく学びが多く、かつ非常に楽しかったです。英語で、初めて学ぶことについて、しっかり議論をし、グループとして合意を取っていくプロセスは、難しさも多かったですが、周りのメンバーの優秀さ、やさしさに助けられ、なんとか乗り切れたことは一つ自分としても自信につながりました。


こうやって思い出しながら書いてみると、Boothでは基礎的な授業として設定されているMarketing Strategy一つとっても、自分としては非常に思い出深い時間となっていたことに改めて気づきました。


もうすぐWinter Quarterも終わりますが、今後もキリの良いタイミングで、Quarterの深堀、振り返りをしてみようと思います。