CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

1Y Winterの振り返り:Corporate Governance

Winter Quarterも終わりに近づき、あとはExam Weekを残すのみとなりました。アメリカはコロナウイルスの影響で、授業がリモートに移行したり、イベントが延期になったりと、特殊な状況が続いています。Boothは先週より授業が休校、急遽一部授業がレコーディングに対応するなど、その影響が感じ取れるようになってきました。


さて、本日は、Winter Quarterに受講した授業の中で、最も印象に残っている「Corporate Governance」について、深堀してみようと思います。

 

教授について
Dennis Chookaszian教授は、Boothの教授としては珍しく、実業家としての側面が非常に強い教授です。


30年近いキャリアの中で、数々のCEO、Executive board memberを歴任し、現在でも多数の会社のBoard memberとして経営判断に関与し続けています。また、CPAとして多くのAdvisory committeeのメンバーを務めてきました。

www.chicagobooth.edu

 

 

クラスについて
この授業は、Corporate Governanceというタイトルがついていますが、私の感想としては、むしろリーダーシップ論、エグゼクティブ論という内容に近いのではと感じています。


3時間の授業の前半は、ガバナンス(例えば、エンロンの会計不正、サウスウエスト航空のボードメンバー構成、トヨタのリコール問題)を題材にしながら、自身の広範なCXO経験に基づき、「リーダーとしてどう考えるべきか」「エグゼクティブとしてどのように判断すべきか」を講義します。


後半は、ゲストスピーカーを招いての講演+Q&Aセッションです。スピーカーも多種多様で、単純に話を聞くだけでも非常に興味深かったです。個人的には、3名の異なる経歴をもつ起業家が、自身の経験をそれぞれ語る回が印象に残っています。

 

特に講義スライド等はなく、また学生とのやり取りを通じてインタラクティブに授業が進んでいくため、初めはその情報量に圧倒されましたが、終わってみると、これもまた非常にMBAらしい授業だったと感じています。

 

予習、授業の準備について
①個人学習
個人学習としては、まず課題として与えられたリーディングマテリアル、ケースを読みます。リーディングが、ケースの前提知識を補完するような内容になっていることが多く、併せて学習することで理解が深まります。


②グループ学習
個人個人で内容を確認し終わったら、Slack等を使い、ライティング課題を一緒に取り組むメンバーに連絡を取ります。


このガバナンスの授業では、ケースの内容について、毎週グループでワード5,6枚程度のレポートを提出する必要があり、週の後半では、グループメンバーでレポート作成に取り組むことになります。


グループは、特に学校から指定されることはなく、初回のクラスで周りの人と話して6人グループを作りました。このグループで、後述するWeek 9のプレゼンテーションセッションに臨みます。


私のグループでは、毎週授業当日の午前中に1時間グループミーティングの時間を設けており、そこまで各人Google Docを利用して分担してレポートをまとめ、その1時間のミーティングの中で最終レビューをし、まとめていました。


まとめ終わったものをすぐに印刷し、授業開始時にレポートを提出です。その後授業を受けて、1サイクルは終わりです。


気になる毎週の勉強時間ですが、3時間の授業とは別に、個人のリーディング、グループでのディスカッション、ライティングを総合すると、+4~5時間程度の勉強量だったと思います。毎週ケースが2つアサインされ、チームメンバーで分担して取り組んでいたものの、個人的には結構頑張って食らいつく、というイメージでした。一方で、チームメンバーから学ぶことも非常に多く、勉強になった10週間でした。

 

テストについて
テストは基本的にはなく、毎週のレポートや出席点で成績がつきます。加えて、Week 9のプレゼンテーションセッションが、この授業一番の山場となっています。

 

プレゼンテーションセッション
まず、プレゼンテーションセッションに向けて、各グループ1つ国を選びます。グループは、15分のプレゼンテーションの時間の中で、その国のガバナンスの体制について、グループでの分析結果を発表します。


私のグループでは、他のチームメンバーが日本に興味があるということで、日本を選択しました。


Week 5あたりから、プレゼン準備が本格化し、各自日本のガバナンスの歴史、問題点、直近の変化などを調べ、毎週のミーティングで議論する流れを繰り返していました。プレゼン前最後の週は、ミーティングループに何度も集まって、プレゼン資料の確認、プレゼンのリハーサル、一緒に提出するレポートの作成をグループ一丸となって進めました。


そして、プレゼンテーションセッション当日。ダウンタウンにあるExecutive MBAキャンパスの大教室が会場です。全員ビジネスフォーマルで会場に集合すると、授業でありながらも、なかなかにピリッとした雰囲気が漂います。


個人的には、このプレゼンテーションセッション本番からの非常に学びが多かったです。というのも、各グループが作成したプレゼン資料、実際のプレゼンテーションを見ることで、客観的にどんな資料が分かりやすいのか(また分かりにくいのか)、どんなプレゼンテーションが(いい意味でも悪い意味でも)印象に残るのか、肌で感じることが出来たからです。(某外資コンサル出身のチームメンバーが作成したであろうプレゼン資料は素晴らしくキレイで、メールで貰ったものを自分のパソコンに保管しました笑)

 

自分たちのプレゼンはというと、事前の準備が功を奏し、大成功に終わりました。全グループのプレゼンテーションが終わったあと、ベストプレゼンターを決める投票があったのですが、投票数1位と2位のメンバーが自分のグループで、一緒に準備をしてきた一人として誇らしくなりましたし、素晴らしいチームメンバーと一緒にプレゼンテーション準備ができたことは、自分にとっての財産になりました。

 

Takeawayについて
個人的なこのクラスのTakeawayについては、2点あります。
①授業からの学び:Top Executiveとしてなにを考えるべきか
まだ自分自身としては経験がないですし、正直消化しきってはいないですが、いわゆるCXOとして何を考えるべきか、どう問題に対処すべきか、様々な知識、経験を実際のExecutiveの方から学べたことは、一つ大きなTakeawayです。

 

②グループからの学び:どのようにグループプロジェクトを成功させるか
また、プレゼンテーションセッションに向けてグループとしてどのようにプロジェクトを進めていくか、という点で一つ大きな経験ができました。周りはネイティブばかり、言語の壁がある中で、どうプロジェクトに貢献していくか、常に考えていました。結果として、他のチームメンバーに後れを取るどころか、ただただ圧倒されるばかりでしたが、それでも優しく接してくれたチームメンバーには感謝しかありません。 圧倒的に優秀なメンバーの中で、どう立ち振る舞うか、どう吸収し、どう貢献すればいいのか、考える良いきっかけになりました。

 

以上が、Corporate Governanceの深堀になります。


こちらの授業はいわゆるElectiveに区分されるものですが、そういった授業を1年生のWinter Quarterに履修できるのも、BoothのFlexibilityならではと感じます。


次のSpring Quarterはすべてオンラインへ移行することが決定しています。どんなふうに授業が進むのか、期待と不安の両方がありますが、引き続きBlogに記録していこうと思います。