CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

MBA「不合格」体験記

本日は、非常に恥を忍んで、私の「MBA不合格体験記」をBlogにしてみようと思います。世の中に「合格体験記」は数多くありますが、「不合格体験記」となるとほとんどないのが現状だと思います。私の経験から、少しでもヒントになるものがあれば幸いです。

 

この事を書こうと思ったきっかけは、私の質問箱に来た一つの質問でした。

MBA受験辞めたいと思ったことはありませんか」

 

私のMBA受験を振り返ると、辛かったことや嬉しかったこと、本当に紆余曲折でした。そのなかで、本気で受験を諦めそうになったことが2回あります。というより、「私はMBA受験を2回失敗している」と表現した方が正確でしょう。

 

 

2016年:GMATに苦しみ出願できず

2016年の受験は、とにかくGMATに苦しみ続けました。

 

もともと純ドメで英語には苦手意識がありました。GMATの勉強中もとにかく手ごたえがなかったことから、年5回しか受験できない本番に臨むことが怖くなり、「もう少し勉強してから」「もう少しPrepの点数が伸びてから」とズルズルと本番を先延ばしにしてしまいました。

 

結局9月から毎月1回、合計4回受験したのですが、スコアキャンセル(確か500点台)→600→640→600と、目標としていた700overには全く届きませんでした。

 

スコアメイキングが思うようにできなかったことから、エッセイ作成等アプリケーション作成全体のスケジュールが完全にビハインドとなり、ターゲットとしていた1月のR2出願に書類作成が全く間に合いませんでした。

 

そのまま仕事が決算繁忙期を迎え、その頃には「仕事の忙しさを理由にMBA受験を忘れたふりをする」という最悪の精神状態になりました。結局、この年は1校も出願をせず、受験を終えました。

 

2017年:面接までたどり着いたがすべて不合格

仕事の忙しさが落ち着いてきたタイミングで、もう一度自分の将来、キャリアステップを考えた結果、やっぱりMBAにチャレンジしたいという結論に至りました。

 

幸運にも、その年の9月に目標としていたGMAT700overを達成し、無事欧州のビジネススクール4校にR2で出願を完了しました(当時は欧州の1年制ビジネススクールをターゲット校としていました)。そのうち2校からインタビューインビテーションを受け取った時のことは、今でもはっきりと覚えています。自分の努力が少しでも認められた瞬間、自分の長いMBA受験が少しだけ前に進んだ瞬間、本当に安堵しました。

 

出来る限りのインタビュー対策を終え、2018年の2月にイギリスで某校の面接、3月にもう一校の面接を日本で行いました。その3月の日本での面接の日が、自分の人生の中でもワーストに入るくらい、最悪の日でした。今でも忘れられません。

 

端的にいうと、その面接は大失敗でした。敗因は、自身の甘さと、浅さ。面接官はとあるグローバル企業の日本支社長を務めている卒業生で、非常に深い洞察力をお持ちでした。必死に特訓した成果を発揮したつもりでしたが、今まで私がハリボテで固めてきたWhy MBAやWhy this schoolなどは、その人には全く響いていませんでした。今思えば当たり前です。私がいかに真剣に自分の将来、自分自身について思考を深めてこなかったか、1時間半の面接で本当に思い知りました。

 

面接が終わった時、自分でも「これは不合格か、良くても補欠だろうな」と感じました。面接官と分かれ、面接会場だった彼のオフィスが入っているビルのエレベーターに乗り込み、オフにしていた携帯の電源をオンにすると、2月に面接したイギリスの某校からメールが来ていました。

 

Dear ××

I am writing in connection with your application for admission to the ○○MBA Programme. The application and subsequent interview have now been carefully considered by the Admissions Committee, and I am sorry to have to tell you that your application has not been successful.

 

目の前が真っ白になりました。

 

結局3月のインタビュー結果は補欠合格で、繰上げのためにいろいろな対策を講じたのですが、繰上げ合格はならず、この年の受験は全敗で幕を閉じました。

 

敗因分析

今になって敗因を分析すると、以下2点に集約されると感じています。

ワーストシナリオの検討不足

2016年の受験については、とにかく自分のシナリオの甘さが敗因だと言えます。もちろん目の前の問題、テスト対策に集中することも大事です。しかしながら、現実的にいつまでに何点が必要なのか、もしダメだった場合の代替手段はないのか、その場合の志望校の変更は必要か、といった大局的なシナリオが持てていませんでした。結果、スコアメイキングの失敗がスケジュール全体の失敗に直結し、出願すらできないという最悪の結末を導いてしまったことは明らかです。

 

手段の目的化

2017年の受験については、一言でいうと「手段の目的化」が起こっていたと今になって思います。つまり、MBA獲得という、本来であれば将来成し遂げたい事に対するレバレッジ手段であるべきものが、長い受験期間を経ていつの間にか目的化、最終ゴール化してしまい、結果Why MBAやWhy this school、Post-MBA goalsが全て上辺だけの本質的でない回答に終始してしまった、というところに敗因があると感じています。しっかりと自己分析をし、そのうえで自分が5年後、10年後本当に心から成し遂げたいことは何なのか、そのためにはこういった理由でMBAが必要だ、という基本的な理論構成すらも疎かになっていました。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

私のMBA受験は本当に試行錯誤の連続でしたが、今はChicago Boothという素晴らしい環境で、優秀な仲間とともに学ぶことが出来て本当に幸せです。

 

また、2018年3月の面接の日を「最悪の日」と表現していますが、今となっては自分の甘さや、勉強不足、自己分析の大切さを気づかせてくれたターニングポイントとも呼べる日と言えると思います。

 

これを読んでいる皆様におかれましても、ご自身にとって悔いのない結果を勝ち取って頂けることを願っております。

 

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