CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

私の「Why Booth」と、実際の進捗状況について

今回は、MBA受験の際必ず考えることになる「Why this school」というお題について、私が具体的にどのようなことをエッセイに書いていたかということと、実際にChicago Boothで1年過ごしてみての進捗状況をまとめてみようと思います。

 

というのも、私が受験生時代様々な学校の「Why this school」をエッセイにまとめている中で、常に「実際この学校に入学出来たら、どれくらいこのエッセイの内容は現実化するんだろうか」という思いがあったからです。

 

ちょうどMBAでの1年目が終了したこともあり、良いタイミングですので、自身の振り返りも兼ねてまとめてみようと思います。

 

 

私の「Why Booth」

 

まず、私がエッセイの中でどのように「Why Booth」を述べていたか、提出したデータを引っ張り出してみました。

 

実際のエッセイではより具体的にコース名等挙げている個所もありますが、大まかな構成は以下の通りです。

 

  • Leadership教育
  1. LEADで、自身のリーダーシップを一段高いレベルまで引き上げたい。
  2. 2年目ではLEAD Facilitator(学生の中から選考される、LEADの中で1年生を指導する立場の2年生)にぜひ挑戦し、指導者の立場としても自身のリーダーシップを追求していきたい。

 

  • Flexible Curriculum
  1. Foundation Coursesでビジネス知識の基礎を固めたい。
  2. Lab Coursesでより実践的なビジネス経験を積んでいきたい。
  3. Concentrationsを複数達成することにより、専門的な知識を多方面で拡充したい。

 

  • Entrepreneurship教育
  1. Entre系の講座を履修し、Entrepreneurとしての知識を拡大したい。
  2. New Venture Challenge(実際に投資家へ自身のビジネスモデルをピッチするコンテスト形式の講義で、Boothの看板プログラムの一つ)にぜひ挑戦し、起業経験を積んでいきたい。

 

では、一つづつ実際のところどのように進捗しているのか、見ていきたいと思います。

 

現在の進捗状況

Leadership教育

まず、Booth唯一の必修であるLEADですが、個人的には大満足でした。様々なアクティビティを通じて、自分のリーダーシップ像、他人との付き合い方、強み弱みなどについて深く掘り下げることができたことに加えて、少人数のグループで、リーダーシップについて深く議論を重ねる経験は、これから2年間Boothで学ぶうえでの良い導入になったと感じています。

 

学んだことはソフトスキルなので具体的にこれ、ということは難しいですが、日々感覚的に色々なところに効いてきています。

 

一方で、エッセイに書いていたLEAD Facilitatorですが、結局選考には応募しませんでした。理由としては、

 

  • 言語レベル。学生を指導する立場であり、ネイティブレベルの英語力がないとかなり厳しいと判断しました。
  • 時間的負担。LEAD Facilitatorとして学生を指導するために、丸々1学期以上をかけて様々な課題、準備をこなす必要があり(実際この準備の中でもかなりの気づき、学びがあるので、LEAD Facilitatorは非常に人気のポジションです)、家族と一緒に生活している中で、現実的にこなすのが難しいと判断しました。
  • 他分野への興味。リーダーシップを追求するのであれば、LEAD Facilitatorは非常に魅力的なプログラムです。一方で、Boothで学ぶ中で、StrategyやBehavioral Scienceに非常に興味が湧き、そちらにより時間を割きたいと考えました。

 

2年目はLEADがない分、普段のクラスの中でリーダーシップポジションにトライすることや、なにか別のLeadership系の講義で補完できないか、考えている所です。

 

Flexible Curriculum

では、日々の学習はどうでしょうか。結論として、BoothのFlexibleなカリキュラムは本当に自由度、満足度が高く、1年目から自分の興味に沿って学習ができたと断言できます。

 

まず、Foundation Courses(Boothで基礎分野として位置づけられている、Accounting/Micro Economics/Statisticsの3カテゴリー)についてですが、自身の法学部→CPAというバックグラウンドを考慮し、Micro EconomicsとStatisticsについては基礎クラスを、Accountingについては中級クラスを受講しました。結果、どの科目からも学びがあり、非常に意義深かったです。

 

Lab Coursesについては、Flexibilityを活かし、1年目からConsulting Labという戦略系のLab Courseを受講しました(A.T.Kearneyと共同で実際の企業にコンサルティングを行うプログラム)。こちらは、今のところ私のベスト授業です。履修している中で日々本当に学び、気づきが多く、素晴らしい体験をすることが出来ました。

 

そして、Concentrations(専攻)ですが、現在私は以下2つのConcentrations取得を目指しています。

  • Strategic Management
  • Behavioral Science

Concentrationsについては、必ず履修が義務付けられるものではなく、各自が自分の興味を深め、効果的に授業を履修するためのガイドラインとして利用しています。

 

このペースで行けば、問題なく上記2つのConcentrationsは達成できそうです。特にBehavioral Scienceについては、正直Boothに来るまでは全く考えたこともなかった専門領域です。1年目にDecision Making やNegotiationsといった行動心理学系の授業をいくつか履修する中で、自分が非常に興味を持っていることに気づき、1年目の途中からConcentration取得を目指し始めました。MBAという環境が、考えてもみなかった方向から自分の興味を掘り起こし、またそれに応えてくれるだけのリソースがしっかり存在するという良い例だと思います。

 

Entrepreneurship教育

最後に、Entre系の学びについて触れていきたいと思います。

 

まず、Entre系の授業ですが、現状まだ何も履修できていません。2年目にいくつか履修してみたいEntre系の授業があるので、こちらは優先してBidをかけていきたいところです。特に、自分の興味分野であるStrategyとの掛け算である、「New Venture Strategy」「Technology Strategy」についてはぜひ履修したいと思っています。

 

一方で、エッセイに記載したNew Venture Challengeへの挑戦ですが、こちらは少し厳しそうだという印象です。というのも、こちらはBoothの授業の中でもトップクラスに負荷が重いプログラム(実際に投資家へピッチするという性質上、準備に非常に時間がかかります)であり、家族とのプライベートも考えると時間投下が難しいと感じています。加えて、EntreよりもStrategyやBehavioral Scienceに現時点でより興味があるため、2年目ではそちらを深堀していきたいという思いもあります。

 

ただし、Entrepreneurshipというのはどんなビジネス分野に進んだとしても非常に大切なマインドであると思うので、上述した講義で少しでも補完できないか、と考えています。

 

おわりに

総論としては、6割くらいは実際にエッセイに書いた通り、4割くらいは軌道修正中で、特にEntrepreneurへの興味が薄れ、代わりにBehavioral Scienceへの興味が増した1年間、といったところでしょうか。

 

2年目にはまた自分の思いもよらないところから興味が掘り起こされる可能性もあるので、日々柔軟に、幅広く考えていきたいですね。