CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

純ドメの米国ビジネススクールインタビュー対策

ブログの説明文にもありますが、私は海外生活経験も、海外勤務経験も全くない、いわゆる「純ドメ」と言えます。

 

海外経験はたまに行く海外旅行と、1回だけ監査法人時代パートナーに連れて行ってもらった一週間の米国出張だけ。パスポートも妻と結婚した後新婚旅行のために20歳半ばで初めて作ったくらいです。そんな自分が、米国ビジネススクールのインタビューにどうやって立ち向かっていったか、本番に至るまでのステップを3つに分けてご紹介できればと思います。

 

自分と同様英語に苦手意識を持たれている受験生の方の参考になれば幸いです。

 

 

いつからインタビュー対策を始めるべきか

まずは、そもそもいつからインタビュー対策を始めるべきか、という問題から始めてみます。

 

私の結論は、「エッセイを提出した後、一息ついたらすぐに始めるべき。」です。

 

理由は2つあります。1つ目は、インタビューインバイトが来てから、実際に面接を行うまでが想像以上に短いということです。例えば、私の場合Chicago Boothからインタビューインバイトが来たのが1/25→面接(現地)が2/16と、1か月もない中でプロセスが進んでいきました。インタビューインバイトが来てから対策していたのでは間違いなく間に合わなかったでしょう。

 

2つ目は、インタビューは練習すればするだけ自信になり、完成度も上がるということです。あのスティージョブズでさえ、プレゼンテーション本番を迎えるまでに圧倒的な練習を繰り返していたといいます。少なくとも私のような純ドメにとっては、やりすぎるくらい練習するのでちょうどいい(か、むしろ足りていない)と思っていました。本番までに練習を繰り返すためには、早めにスタートを切ったほうがいいのは言うまでもありません。

 

一つ付け加えるとすれば、インタビュー対策を始めている、いないにかかわらず、普段からオンライン英会話等でスピーキングスキルを磨いておくことは非常に重要だと感じました。スピーキング力は一朝一夕には向上しません。仕事、エッセイ、推薦状、スコアメイキング等々やらなければならないことはたくさんありますが、毎日コツコツと英会話レッスンを行うことが、最終的にはインタビューステップで自分の身を助けるような気がします。

 

インタビュー対策の3ステップ

それでは、具体的なインタビュー対策のステップに移っていこうと思います。

ステップ1:情報収集

まず1つ目のステップは、情報収集です。闇雲にインタビューの対策をすることは、時間的制約から鑑みても避けなければなりません。なるべく効果的、効率的に準備を進めるために、私はまず、以下のような情報を収集しました。

  • 本番の情報
  • 質問リスト
  • 面接の流れ

本番の情報とは、インタビューがいつ、どこで、だれと、どのように行われるかという基本情報です。特にだれと(アドミッションズ/アラムナイ)、どのように(面接官に対して、完全情報非開示/Resume等一部情報共有済み/Essayまですべて情報共有済み)行われるかは、インタビューの方向性、流れを左右することになります。カウンセラーに相談するか、在校生/先輩からの情報、ネットの情報等を元に事前に情報を把握しておきたいところです。

 

質問リストとは、その名の通り各校のインタビューで過去実際にどんなことが聞かれていたかのリストです。後述しますが、いわゆる頻出問題については、しっかりと構成や内容を事前に整理しておくことは必須だと考えます。どんな問題がよく聞かれるのか、予め情報を得ておくことは極めて重要です。

 

質問リストについては、カウンセラーから入手できることもあるかと思いますし、以下のようなウェブページから入手することも可能です。

www.vinceprep.com

 

www.clearadmit.com

 

最後に、ビジネススクールの面接が実際どのように行われるのか、どれくらいのレベル感を目指せばいいのか、イメージづくりのために情報を収集しました。私の場合は、YouTubeで何本か日本人が実際にMockを行っているビデオがありましたので、そちらを見て勉強しました。

 

youtu.be

ステップ2:情報整理

次のステップでは、情報を整理し、頻出問題について構成をまとめ上げていくことになります。私の英語力、プレゼン力、精神力では、自然体のままでインタビューに臨み、その場で聞かれたことに対応することで合格点が出るとは到底思えませんでした。従って、ステップ1で収集した質問リストを元に、いわゆる頻出問題については「どう答えるか」という構成と内容を事前に詰めていました。

 

STARモデルといった構成方法については、予備校やカウンセラーから習うことも多いと思いますのでここでは割愛いたしますが、問題ごとに具体的な構成やアイディアを1ページにまとめた「インタビュー対策ノート」を作成し、それを常に持ち歩いて暇があれば復習、アップデートを繰り返していました。

 

また、こちらもよく言われていることですが、いわゆる一言一句言いたいことをすべて盛り込んだ「台本」を作り暗記するのではなく、構成とアイディア、必ず盛り込みたいフレーズをフローチャートのようにまとめた「メモ」を作成することを心掛けていました。というのも、インタビューは非常にフレキシブルなプロセスであり、一言一句内容を暗記することはむしろ本番の対応力に欠けると考えられるからです。

 

このような典型問題対策をしっかり行うことで、本番での緊張の緩和や、余裕の確保、答えづらい問題へ取り組む瞬発力や、体力の温存といった効果が得られました。

 

ステップ3:練習

最後のステップは、練習です。一言でいうとインタビューはとにかく練習あるのみだと思います。

 

まずは、まとめた典型問題のリストごとに構成がスラスラ出てくるか、独り言のように練習を繰り返しました。この際回答時間を測り、長すぎる/短すぎる場合には内容を調整しました。この独り言練習は、時間がある時、思い出したときにこまめに実施し、内容を定着させるようにしました。

 

そのあと(もしくは同時並行)は、カウンセラーとのMock対策です。私はAGOSのインタビュー対策を利用していたのですが、メインで一人先生を決めて定期的にMockを行うのに加えて、時々初見の先生を敢えて指名し、慣れを排除して本番の環境に近づけた練習も数回行いました。

 

さらに、初見の人にもしっかりと伝わるよう回答の説得力を上げるため、

  • オンライン英会話
  • 友人
  • 家族

などに自分の回答を聞いてもらい、フィードバックを貰うことでスキルをブラッシュアップしていきました。

 

私も何回か在校生側として対応したことがあるのですが、在校生やOBに面接練習をお願いするということも有用だと思います。特に、卒業生が面接官を務める場合には、本番さながらの訓練をすることが出来ます。

 

難問・奇問への対応

ここまでくれば、あとは体調に気を付け、自信を持って本番を迎えるだけです。

 

ただし、どんなインタビューも、自分の思った通りに事が運ぶかというとそうはいきません。必ず、捻った問題、一度も考えたことがない問題、答えづらい問題、に対応しなければならない時が来ます。

 

私がChicago Boothの面接を受けたときも

 

「あなたが何か一つだけこの世界を変えられるとしたら、何を変えますか?」

「レジュメに載っていないことで、なにか一つ付け加えられることはありますか?」

 

と、なかなかにチャレンジングな質問がきました。

私なりに、このような質問に対する対応策を3つご紹介しようと思います。

  1. 時間稼ぎのフレーズを持っておく
  2. エッセイ作成時に掘っておいた原体験、個人的な想いと結びつける
  3. とにかくまず結論を言う

まず、よく言われることですが「それは面白い質問ですね…」「いろいろ思いつくものはありますが、一番印象的な物をお話すると…」というような時間稼ぎのフレーズをいくつか練習しておきました。

 

それを言っている間に、頭をフル回転させ、エッセイ準備時に深堀りしておいた自分の原体験や個人的な想いと、聞かれた質問を上手く紐づけます。ここで思い付きのネタをパッと話してしまうと、答えに深みが出なかったり、上手く回答が出来なくて苦しむことになります。一方で、自分の原体験や個人的な想いに紐づけた回答であれば、しっかり深掘りが出来ている分、回答に説得力が出ますし、話すネタも豊富に存在します。

 

そして、紐づけが出来たら、冷静に結論からはっきり答え、ダイレクトに質問に答えます。そのあと、情報を付け足していきます。これも、先に思いつくままにどんどん話してしまうと、結局質問に上手く答えられなかったり、まとまりが出なかったりします。焦った時は「結論→理由→具体例→結論繰り返し」という、英文ライティングの基本的な構成に立ち戻ると効果的かと思います。

 

終わりに

以上が、わたしがインタビューに向けて準備したことの全体像になります。

 

難問への対応というところでもお話しましたが、実はエッセイ、さらにはエッセイの準備としての自己分析時にどれだけしっかりとネタの深掘りが出来ていたかが、インタビューにも非常に大きく影響してくることになります。私がインタビュー全落ちを経験したときには、正にこの「深掘り」という部分の足りなさがインタビュー時に露呈し、不合格という結果になったと自分でも強く感じています。

 

皆様に少しでも参考になるものがあれば幸いです。