CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

Who Says Elephants Can't Dance?

冬休みに入ってからコツコツ読んでいた「Who Says Elephants Can't Dance?」、英語の勉強も兼ねて原書に挑戦していたのですが、漸く読み終わりました。

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人生やキャリアについてフラットに考えられるこのタイミングで出会い、読むことが出来て良かったと思います。

内容としては、IBMのターンアラウンドを軸とした自伝/経営論となっており、プロ経営者として数々の修羅場を潜ってきたであろう筆者の凄みを感じることが出来ます。

ターンアラウンドやテクノロジー産業に興味がある人に加えて、大企業のマネジメントポジションを志す人にも示唆が多いものと感じました。以下、自分なりの気づきを簡単にまとめてみます。

 

 

Strategy

筆者であるルイス・ガースナーは、HBSからマッキンゼーを経て、アメリカンエクスプレスCEO、ナビスコCEOを歴任した、所謂プロ経営者です。

彼の口から語られるストラテジー論は極めてシンプルで、「とにかくFocus、それがすべて」とのこと。また、「StrategyとVisionは異なる」「綿密なQuantitative analysisをベースとする」とも。ここら辺のストラテジー論は、ルメルトの「良い戦略、悪い戦略」とも共通する部分があり、非常に興味深く読んでいました。

 

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Culture

筆者が「最も難しい問題」と語る、Cultureについて。

IBMの官僚的で内向きな企業文化を、どのようにMarket-drivenへと転換したのか。秋学期履修したManaging in Organizationsでも、一クラスまるまるCorporate Cultureについて学びましたが、改めてCultureの (いい意味でも悪い意味でも)力強さについて、またどのように企業文化変革を起こしていくのかについて、考えるきっかけとなりました。

 

Decision making/Execution

全体を通して、筆者の決断力、実行力には本当に驚かされました。

普通のビジネスパーソンであれば、一生に一回も出会わないであろう決断、例えば大規模なレイオフ、ビジネスポートフォリオの転換について、短期間に複数決断、迅速に実行し、IBMを立て直すことに見事に成功しました。

筆者の過去のプロ経営者としての経験が非常によく表れているとともに、自分もMBA期間中に (レベル感は全く違うにせよ)何かしらビジネス的なオーナーシップを持った決断をする機会を得てみたいと強く思うようになりました。

 

 

来週から授業が始まってしまうので、暫くはこのように自分の趣味で読書をするのはお預けかもしれません。上手く授業のペースが掴めて来たら、冬休みにセールで買い込んでしまった大量のKindle積読を解消していこうと思っています…