CPA + MBA in Chicago

純ドメ会計士がChicago Booth Class of 2021で感じたことを記録するブログ

Corporation Finance/New Venture Strategy Week 1 予習 その1

昨日、今日とCorporation FinanceとNew Venture Strategyの予習を進めていました。

 

 

Corporation Finance

教科書の指定された範囲をザっと読んで、Week 1の概要を把握しました。今回はNPVとDiscount Ratesの基礎的な部分ということで、正にCorp Finの導入といったところ。

現在価値計算や、投資回収期間計算、投資判断等については、公認会計士試験の試験範囲だったこともあり、今回の範囲は個人的にとっつきやすかったです。

 

良い意味で驚きだったのが、指定された教科書の分かりやすさ。平易に、メリハリをつけて説明があり、そのあとに非常に簡単な数値を使った例で、具体的にどうなるのかを確認できました。もしかするとファイナンスバックグラウンドの方や、突っ込んで学習したい人には物足りないのかもしれませんが、個人的な期待値とはバッチリ合っているので一安心です。

 

Corp Finは教科書に加えて、追加のReadingsと、Pre-recording videoもありますので、明日も引き続き進めていこうと思います。

 

New Venture Strategy

NVSのWeek 1の課題は、他の教科と毛色が異なり正にEntrepreneurshipの授業、といった感じです。具体的には、「世の中にある問題、課題について、想像上で自分なりの解決策を示す」というもの。

教授からの「Entrepreneurship begins with imagination.」というメッセージに対応した課題ということで、まずは一人でブレストしながら、「そもそもどんな課題、問題に直面したっけ」というところから深掘りを始めました。途中、夕ご飯を食べながら妻にも壁打ち相手になってもらい、何となくまとまりそうなアイディアが出たので、今日はここまで。

明日はこのアイディアを煮詰め、最終的に250 wordsの提出用ミニエッセイにまとめていきます。

 

 

明日は月曜日、いよいよWinter Quarterが始まります。が、私の初回の授業は水曜日なので、実質もう少しだけ冬休みが続きます笑 良いスタートを切れるよう、引き続き予習に励んでいこうと思います。

 

冬休みの総括

約1か月の冬休みも明日で終わり、来週からはWinter Quarterが始まります。

ちょうど冬休みが始まるころ、この1か月をどう過ごしたいか、エントリーにまとめました。

takachicagobooth.hatenablog.com

 

今日は、冬休みの計画と実績を振り返りながら、この一か月を総括できたらと思います。

 

 

計画その1 : 本を読む

まず読書ですが、個人的な課題図書として以下四冊を設定していました。

結論として、しっかりと読み切れたのは「巨象も踊る」一冊となりました。

感想は別途エントリーにまとめたので、詳細はそちらに譲りますが、考えさせられることの多い素晴らしい本でした。

 

takachicagobooth.hatenablog.com

 

その他の三冊ですが、実は要約&読み上げサービスで内容だけは把握することが出来ました。どの本も素晴らしかったのですが、特にアルケミストには感動しました。ので、昨日から試しているAudibleでアルケミスト原文を聴くことを始めました。

 

 

計画その2 : 今まで授業で学んできたことを総復習する

今まで学んできたことの振り返りですが、以下の教科について自分なりに振り返り、まとめ直しを完了できました。

  • Marketing
  • Decision Making
  • Negotiation
  • Strategic Networks
  • Competitive Strategy
  • Technology Strategy
  • Managing in Organizations

知識同士の横のつながりも少しづつ分かってきたり、単純に忘れかけていた知識を思い出すという意味でも、このタイミングでまとめて振り返りが出来て良かったと感じています。

この振り返りは、春休み、卒業後のタイミングでも続けていきたいと思っています。

 

 

計画その3 : 英語の勉強をする

英語の勉強ですが、隙間時間を見つけてコツコツと取り組んでいました。

  • 英単語については、mikanを使ってTOEFL単語の復習
  • リスニングについては、Netflixや読み上げサービス、Podcastの視聴
  • ディスカッションについては、参考書の学習と、オンライン英会話

正直な話、オンライン英会話については上手く隙間時間とぶつけることが出来ず、あまりアウトプットが出来ずに終わってしまったと反省しています。

Winter Quarterでは、グループワークや授業のディスカッション等の機会で、より積極的に英語でアウトプットすること、自分の意見を的確に伝えること、を練習していけたらと思っています。

 

 

計画外で取り組んだこと

全く計画にはなかったことですが、この冬休みにパン作りにどっぷりハマってしまいました。フォカッチャから始まり、ちぎりパン、食パン、ハードパン、セミハードパンなどなど、作れるものが増えてきて面白い限りなのですが、来週からは勉強にシフトするため、泣く泣くパンづくり活動はセーブすることになりそうです笑

 

 

総じて、Stay Homeで活動が制限される中で、それなりに充実した冬休みを送ることが出来たと思います。どんなことにおいても、達成したい目標と、そこに至るまでの計画、そして定期的な振り返りが大切だと体感した一か月でした。

 

 

The Study of Behavioral Economics/Operations Management Week 1 予習

今日からいよいよWeek 1の予習を本格的に開始しました。

と言っても、以下読んでいただければお分かりの通り、フルスロットルには程遠く、冬休みからのリハビリにちょうど良い感じでした。

明日以降手を付けようと思っている、New Venture StrategyやCorporation Financeの予習はもう少し骨がありそうなので、心してかかりたいと思います。

 

 

The Study of Behavioral Economics

なんと、Week 1の予習は特に無し。

 

Operations Management

初回はテキストと、Operational Innovationに関連したHBRのリーディングのみ。

テキストはThe Goalですが、日本語の漫画版を読んだことがあり、要旨については押さえていたので、割とサクサク読み進めることが出来ました。展開としては、スループット会計に必要な3つの評価指標が紹介されたところまで。

 

脱線ですが、私は英語ネイティブではないですし、英文の読解力を上げるよりも、内容をきちんと掴んで学習の成果を上げる方が大切なので、日本語、英語に限らず使えるものはなんでもガンガン使うタイプです。

滅茶苦茶ヘビーなテキストリーディングが課題になった場合には、日本語の訳本を探すこともありますし、ミクロ経済学や産業組織論、統計学などは並行して日本の参考書を参照して学習したりしています。ここら辺は個人のスタイルがありそうですね。

 

ということで、今日の予習はここまで。

そろそろ冬休み全体の総括もしたいところですね。

2Y Winter Quarter Week 1 予習 (の準備)

いよいよ来週からWinter Quarterが始まります。

私が履修しているクラスは以下の4つ。

  • The Study of Behavioral Economics
  • Operations Management
  • New Venture Strategy
  • Corporation Finance

実際にクラスが始まるのは来週の水曜日からですし、Week 1 はイントロダクション的なレクチャーであることが多いので、そこまで予習が大変なわけではありません。

本番はWeek 2から、というところで、昨日と今日で取り敢えず以下の準備を進めました。

  • PCのフォルダ整理
  • iPadのGoodnotes 5 (ノートテイキングアプリ)のフォルダ整理
  • Dropboxのフォルダ整理
  • 教科書の調達 (Kindleで購入)
  • シラバスやWeek 1 のRequired Readings等をiPadへ格納

 

面白かったのが、各教科で採用されている教科書です。

ケースやHBRなどは、イントラを通じて配布されるのですが、並行して利用する教科書については、各自で購入することになっています。採用されている教科書から、なんとなくですがクラスの全体像や、クラスに対する教授の考え方が垣間見えてきて興味深いです。

 

The Study of Behavioral Economics

  • Richard H. Thaler/Misbehaving

Chicago Boothらしく、Thaler教授のMisbihavingが教科書になっています。

 

Operations Management

  • Eliyahu M. Goldratt/The Goal

制約理論やボトルネックでおなじみ、The Goalが教科書です。

 

New Venture Strategy

  • Bill Aulet/Disciplined Entrepreneurship Workbook
  • Seth Goldman/Mission in a Bottle

なんとなくVentureといえばリーンスタートアップやZero to Oneあたりを想定していたのですが、教科書に指定されていたのがこの二冊。

どちらも読んだことのない本ですが、さらに面白いことに、Mission in a Bottleはなんと漫画でした。

授業の中でどう読み解いていくのか、今から楽しみです。

 

Corporation Finance

  • Berk, DeMarzo/Corporate Finance

Corporate Financeの教科書としては (おそらく)定番でよく採用されている一冊。

 

 

明日からは、実際にWeek 1 の予習を進めていこうと思います。また気づき等については、このブログやTwitterで整理できればと考えています。

Who Says Elephants Can't Dance?

冬休みに入ってからコツコツ読んでいた「Who Says Elephants Can't Dance?」、英語の勉強も兼ねて原書に挑戦していたのですが、漸く読み終わりました。

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人生やキャリアについてフラットに考えられるこのタイミングで出会い、読むことが出来て良かったと思います。

内容としては、IBMのターンアラウンドを軸とした自伝/経営論となっており、プロ経営者として数々の修羅場を潜ってきたであろう筆者の凄みを感じることが出来ます。

ターンアラウンドやテクノロジー産業に興味がある人に加えて、大企業のマネジメントポジションを志す人にも示唆が多いものと感じました。以下、自分なりの気づきを簡単にまとめてみます。

 

 

Strategy

筆者であるルイス・ガースナーは、HBSからマッキンゼーを経て、アメリカンエクスプレスCEO、ナビスコCEOを歴任した、所謂プロ経営者です。

彼の口から語られるストラテジー論は極めてシンプルで、「とにかくFocus、それがすべて」とのこと。また、「StrategyとVisionは異なる」「綿密なQuantitative analysisをベースとする」とも。ここら辺のストラテジー論は、ルメルトの「良い戦略、悪い戦略」とも共通する部分があり、非常に興味深く読んでいました。

 

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Culture

筆者が「最も難しい問題」と語る、Cultureについて。

IBMの官僚的で内向きな企業文化を、どのようにMarket-drivenへと転換したのか。秋学期履修したManaging in Organizationsでも、一クラスまるまるCorporate Cultureについて学びましたが、改めてCultureの (いい意味でも悪い意味でも)力強さについて、またどのように企業文化変革を起こしていくのかについて、考えるきっかけとなりました。

 

Decision making/Execution

全体を通して、筆者の決断力、実行力には本当に驚かされました。

普通のビジネスパーソンであれば、一生に一回も出会わないであろう決断、例えば大規模なレイオフ、ビジネスポートフォリオの転換について、短期間に複数決断、迅速に実行し、IBMを立て直すことに見事に成功しました。

筆者の過去のプロ経営者としての経験が非常によく表れているとともに、自分もMBA期間中に (レベル感は全く違うにせよ)何かしらビジネス的なオーナーシップを持った決断をする機会を得てみたいと強く思うようになりました。

 

 

来週から授業が始まってしまうので、暫くはこのように自分の趣味で読書をするのはお預けかもしれません。上手く授業のペースが掴めて来たら、冬休みにセールで買い込んでしまった大量のKindle積読を解消していこうと思っています…

2021年の抱負と、"The Alchemist"

新年あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年末、時間と興味があったので、ビジネス書を英語で要約・読み上げしてくれるサービスをいくつか試していました。

今のところは、読み上げ音声のクオリティと、蔵書の豊富さから、Blinkistがいいかなぁと思っています。

www.blinkist.com

 

フリートライアルでほかの似たようなサービスを試している中で、前々から読みたかったThe Alchemistを見つけました。年越しをしながらサクッと聞いてみたのですが、本当に素晴らしい内容でした。ぜひ、時間を見つけて原文を読み直そうと思います。

 

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以下、自分が特に感銘を受けた点をまとめてみます。

 

 

自分の夢、パッションが全ての始まり

  • 多くの人が、子供のころ抱いた夢を忘れ、「普通」に従い、周りの人がどうしているかを気にしてしまう
  • 世界の厳しさや、周りのネガティブな人々から、自分の夢とパッションを守ることを学ばなければいけない
  • 夢やパッションは、自分自身の運命を決定づけるコンパスである

初めからすべては見えない

  • どんな成功者でも、初めからすべてのストーリーが見えていた人はいない
  • まずは自分のパッションに従うこと、それが全ての始まり
  • 自分自身を研鑽し、目標を高く持ち、その目標を現実にするために努力する。その過程で徐々に全体像がはっきり見えてくる

コストなしには何も得ることはできない

  • 多くの人が成功したいと思っているが、そのコストを支払う準備が出来ている人はほとんどいない
  • 成功するまでには多くの献身的な努力が必要なのは言うまでもないが、「努力できる」ということ自体が大切
  • 努力の過程で自分自身が成長し、目標達成を助けてくれる

周りの人の助けを乞う

  • 誰も一人では生きられない。自分が何かを達成できたのは、誰かが助けてくれたから。同じように、自分も誰かを助けなくてはいけない
  • 生まれながらにすべてを知っている人は誰もいない。誰かに相談することを恐れてはいけない
  • 全てを知るまで待つ必要はない。今すぐ始め、過程の中で学んでいけばいい

失敗を恐れる気持ち

  • 夢を達成する過程で、必ず困難や失敗にぶつかる。自分自身が学び、成長している中で、失敗するのは当たり前
  • 失敗や困難自体が問題なのではなく、それにどのように対応したかが真の問題。良いことの前兆と捉え、学びの機会だと考えられたか
  • 健全な自尊心 (Healthy self-esteem) は成功するために必須。環境や周りの人に左右されず、自分自身が何をしたいか、どうするのかを決め、達成するまで歩みを止めないこと

心の声に耳を傾ける

  • 周りに助けてくれる人がいない時は、心の声に耳を傾ける
  • 心の声は、嘘をつかず、間違った方向に導くこともない。大切なのは、どうやって心の声を聴くかを知っていること
  • 静かな場所で落ち着き、心の声が道筋を教えてくれるのをじっと待つ。心の声をしっかり書き留め、すぐに実行に移すこと

 

MBA留学は、自分自身を見つめなおす非常に良い機会だと思っています。2021年は、もう一度自分自身のパッションが何なのかを深く考えてみようと、この本を通じて思いました。

MBA留学の意義: 「点をばらまく」こと

冬休みで時間があるということもあり、ここ最近「MBA留学の意義」についてぼんやりと考えていました。

ビジネススクールでの1年間、ないし2年間で得られるものは多義的であり、また個人によっても差があるため、「MBA留学の意義はこれです」とバシッと言い切ることは不可能だと思っています。

その上で、特に私のように職業専門家のキャリアを歩んできた人にとっては、私自身感じていることが参考になるかと思い、自分自身の整理も兼ねてエントリーにまとめてみようと思います。

一言でいえば、「点をばらまく」ことです。

 

 

「Connecting the dots」と、点をばらまくこと

「Connecting the dots」という言葉はどこかで聞いたことがあるかもしれません。

Steve JobsStanford大学でのスピーチが有名ですので、そちらでご存知の方も多いと思います。

youtu.be

過去の経験や知識が、将来思いもよらない形で繋がり、自分を助けてくれる。点と点は将来を見据えて繋げることはできず、あとで振り返ってみたときはじめてつながりが分かる。

私はこの考え方が大好きで、常に「この経験はいつか将来役に立つかも」「何事も無駄なものはない」と考えて色々なことに積極的に挑戦してきました。

点と点を繋ごうにも、そもそもの点がなければ繋ぎようがありません。また、繋ぐ点と点とに広がりがなければ、その繋がりにインパクトはありません。その意味で、点を「ばらまく」と自分では表現しています。

 

職業専門家と、点をばらまくこと

私は元々法曹を志して法学部に入学しましたが、紆余曲折あって日本の公認会計士資格を取り、大学卒業後は監査法人で働き始めました。それからは会計監査一筋のキャリアです。途中幸運なことに事業部異動があり、関わるクライアントがガラッと変わったことがあったのですが、ベースとしているのは常に「会計監査」です。

監査の仕事は好きだったので、それ自体には全く不満はありませんでした。しかしながら、私の頭の中には常に「Connecting the dots」がありました。

職業専門家として働く以上仕方ないことかもしれません。専門家として究極必要なことは、深く、尖った知識と経験です。一方で、前述したConnecting the dotsの観点からは、自分の経験、知識に十分な広がりがなくなってきており、点と点を繋げるにも、狭い範囲でのつながりでインパクトが小さくなっていることに気づいたのです。

プロジェクト変更・転籍・転職。会計士のキャリアをベースとして、出来そうなことは色々ありました。その中で、「今いるところから一番遠くに点をばらまくには」どうすればいいか考え、住む場所、行動様式、付き合う人、すべてをガラッと変えることだという結論に至りました。

私にとってそれはMBA留学だったのです。

 

MBA留学と、点をばらまくこと

Chicago Boothに来て、「点をばらまく」ことに関しては本当に素晴らしい経験が出来ていると感じます。

会計士として監査法人で働く上で触れることのなかった知識、例えばマーケティング、行動心理学、ストラテジーといった分野について、MBAというカリキュラムを通じて幅広く触れることが出来ています。

一緒に学んでいる在校生は幅広いバックグラウンド、国籍を持っています。周りで一緒に働くメンバーのほとんどが日本人の会計士だった監査法人時代とは、ネットワークの広がりが全く違います。

アメリカ・シカゴでの生活、クラブ活動、インターン、そのどれもが、監査法人時代に得ることが難しかった経験です。

 

滅茶苦茶面白かったTechnology Strategyのクラス。

憧れのHarry Davis教授の前で、プロジェクトの進捗を報告した5分間のプレゼンテーション。

ミシガン湖沿いをランニングしながら、サンフランシスコ出身の同級生と将来のキャリアについて話した土曜日の朝。

 

どの点が将来どんな形で繋がるのかは、(Steve Jobsも言っていたように)今は分かりません。将来何らかの形で繋がることを信じて、あと約半年のMBA期間、出来る限りの点をばらまいてみようと思っています。