2021年の抱負と、"The Alchemist"
新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末、時間と興味があったので、ビジネス書を英語で要約・読み上げしてくれるサービスをいくつか試していました。
今のところは、読み上げ音声のクオリティと、蔵書の豊富さから、Blinkistがいいかなぁと思っています。
フリートライアルでほかの似たようなサービスを試している中で、前々から読みたかったThe Alchemistを見つけました。年越しをしながらサクッと聞いてみたのですが、本当に素晴らしい内容でした。ぜひ、時間を見つけて原文を読み直そうと思います。
以下、自分が特に感銘を受けた点をまとめてみます。
自分の夢、パッションが全ての始まり
- 多くの人が、子供のころ抱いた夢を忘れ、「普通」に従い、周りの人がどうしているかを気にしてしまう
- 世界の厳しさや、周りのネガティブな人々から、自分の夢とパッションを守ることを学ばなければいけない
- 夢やパッションは、自分自身の運命を決定づけるコンパスである
初めからすべては見えない
- どんな成功者でも、初めからすべてのストーリーが見えていた人はいない
- まずは自分のパッションに従うこと、それが全ての始まり
- 自分自身を研鑽し、目標を高く持ち、その目標を現実にするために努力する。その過程で徐々に全体像がはっきり見えてくる
コストなしには何も得ることはできない
- 多くの人が成功したいと思っているが、そのコストを支払う準備が出来ている人はほとんどいない
- 成功するまでには多くの献身的な努力が必要なのは言うまでもないが、「努力できる」ということ自体が大切
- 努力の過程で自分自身が成長し、目標達成を助けてくれる
周りの人の助けを乞う
- 誰も一人では生きられない。自分が何かを達成できたのは、誰かが助けてくれたから。同じように、自分も誰かを助けなくてはいけない
- 生まれながらにすべてを知っている人は誰もいない。誰かに相談することを恐れてはいけない
- 全てを知るまで待つ必要はない。今すぐ始め、過程の中で学んでいけばいい
失敗を恐れる気持ち
- 夢を達成する過程で、必ず困難や失敗にぶつかる。自分自身が学び、成長している中で、失敗するのは当たり前
- 失敗や困難自体が問題なのではなく、それにどのように対応したかが真の問題。良いことの前兆と捉え、学びの機会だと考えられたか
- 健全な自尊心 (Healthy self-esteem) は成功するために必須。環境や周りの人に左右されず、自分自身が何をしたいか、どうするのかを決め、達成するまで歩みを止めないこと
心の声に耳を傾ける
- 周りに助けてくれる人がいない時は、心の声に耳を傾ける
- 心の声は、嘘をつかず、間違った方向に導くこともない。大切なのは、どうやって心の声を聴くかを知っていること
- 静かな場所で落ち着き、心の声が道筋を教えてくれるのをじっと待つ。心の声をしっかり書き留め、すぐに実行に移すこと
MBA留学は、自分自身を見つめなおす非常に良い機会だと思っています。2021年は、もう一度自分自身のパッションが何なのかを深く考えてみようと、この本を通じて思いました。
MBA留学の意義: 「点をばらまく」こと
冬休みで時間があるということもあり、ここ最近「MBA留学の意義」についてぼんやりと考えていました。
ビジネススクールでの1年間、ないし2年間で得られるものは多義的であり、また個人によっても差があるため、「MBA留学の意義はこれです」とバシッと言い切ることは不可能だと思っています。
その上で、特に私のように職業専門家のキャリアを歩んできた人にとっては、私自身感じていることが参考になるかと思い、自分自身の整理も兼ねてエントリーにまとめてみようと思います。
一言でいえば、「点をばらまく」ことです。
「Connecting the dots」と、点をばらまくこと
「Connecting the dots」という言葉はどこかで聞いたことがあるかもしれません。
Steve JobsのStanford大学でのスピーチが有名ですので、そちらでご存知の方も多いと思います。
過去の経験や知識が、将来思いもよらない形で繋がり、自分を助けてくれる。点と点は将来を見据えて繋げることはできず、あとで振り返ってみたときはじめてつながりが分かる。
私はこの考え方が大好きで、常に「この経験はいつか将来役に立つかも」「何事も無駄なものはない」と考えて色々なことに積極的に挑戦してきました。
点と点を繋ごうにも、そもそもの点がなければ繋ぎようがありません。また、繋ぐ点と点とに広がりがなければ、その繋がりにインパクトはありません。その意味で、点を「ばらまく」と自分では表現しています。
職業専門家と、点をばらまくこと
私は元々法曹を志して法学部に入学しましたが、紆余曲折あって日本の公認会計士資格を取り、大学卒業後は監査法人で働き始めました。それからは会計監査一筋のキャリアです。途中幸運なことに事業部異動があり、関わるクライアントがガラッと変わったことがあったのですが、ベースとしているのは常に「会計監査」です。
監査の仕事は好きだったので、それ自体には全く不満はありませんでした。しかしながら、私の頭の中には常に「Connecting the dots」がありました。
職業専門家として働く以上仕方ないことかもしれません。専門家として究極必要なことは、深く、尖った知識と経験です。一方で、前述したConnecting the dotsの観点からは、自分の経験、知識に十分な広がりがなくなってきており、点と点を繋げるにも、狭い範囲でのつながりでインパクトが小さくなっていることに気づいたのです。
プロジェクト変更・転籍・転職。会計士のキャリアをベースとして、出来そうなことは色々ありました。その中で、「今いるところから一番遠くに点をばらまくには」どうすればいいか考え、住む場所、行動様式、付き合う人、すべてをガラッと変えることだという結論に至りました。
私にとってそれはMBA留学だったのです。
MBA留学と、点をばらまくこと
Chicago Boothに来て、「点をばらまく」ことに関しては本当に素晴らしい経験が出来ていると感じます。
会計士として監査法人で働く上で触れることのなかった知識、例えばマーケティング、行動心理学、ストラテジーといった分野について、MBAというカリキュラムを通じて幅広く触れることが出来ています。
一緒に学んでいる在校生は幅広いバックグラウンド、国籍を持っています。周りで一緒に働くメンバーのほとんどが日本人の会計士だった監査法人時代とは、ネットワークの広がりが全く違います。
アメリカ・シカゴでの生活、クラブ活動、インターン、そのどれもが、監査法人時代に得ることが難しかった経験です。
滅茶苦茶面白かったTechnology Strategyのクラス。
憧れのHarry Davis教授の前で、プロジェクトの進捗を報告した5分間のプレゼンテーション。
ミシガン湖沿いをランニングしながら、サンフランシスコ出身の同級生と将来のキャリアについて話した土曜日の朝。
どの点が将来どんな形で繋がるのかは、(Steve Jobsも言っていたように)今は分かりません。将来何らかの形で繋がることを信じて、あと約半年のMBA期間、出来る限りの点をばらまいてみようと思っています。
冬休みにやりたいこと
昨日でFinal Examはすべて終了し、唯一残っていたManaging in OrganizationsのGroup Writing課題も今日無事提出が完了しました。これで本当にAutumn Quarterのタスクはすべて終了です。
今日はゆっくり子供たちと公園で遊びながら、冬休みどんなことをやりたいか、ぼんやりと考えていました。
概ね以下の3点に集約されそうです。
本を読む
先日エントリーにもまとめましたが、個人的な課題図書を設定しましたので、そちらを読み進めていきたいと思います。今は「巨象も踊る」を原文で少しづつ読み進めています。ちなみに、滅茶苦茶面白いです。
takachicagobooth.hatenablog.com
今まで授業で学んできたことを総復習する
MBAでの2年間のカリキュラムも終わりに近づいてきましたので、これからは今まで学んだことと、これから新たに学ぶこととのつながりも意識していきたいと考えています。
その前提として、そもそも今までどんなことを学んできたのか、自分の中で軽く整理することも必要だと感じました。もちろん、すべてを細かいところまで復習することは時間的に不可能ですので、授業で学んだ全体像と、本当に重要なこと、個人的に学びが大きいところについて整理しながらまとめていきたいです。
まとめた内容は、このブログでエントリーにできたら尚良いかな、と思っています。
英語の勉強をする
休み中は授業がないので、意識しないと英語に触れる機会が殆どなくなってしまいます。折角ですので、自分がまだ弱いと思っている所を意識して補強する1か月にできたらと思います。
自分で把握している自分の弱点としては、
- 知っている英単語の量
- 自然な英語のリスニング
- 英語でディスカッションをする上での概念化、意見の構成、フレーム
英単語量の向上策としては、さっそく英単語アプリをダウンロードしてみました。こればっかりは学生時代英語から逃げまくってきた自分を恨むしかありません。単語は知っていれば知っているほど色々なところに効いてくる&知らないと基本どうしようもない部分なので、とりあえず1か月頑張ってみます。
自然な英語のリスニングについては、このMBA留学でだいぶ打ちのめされ、だいぶ慣れてきた部分になります。引き続きNetflix等自然な英語に触れる機会を増やし、リスニング力の維持向上に努めていきたいです。
3つ目については、最近特に意識している部分になります。そもそも英語で意見を言う上での論理構成、トピックスの概念化、良く使う言い回し、といった知識と経験がごっそり足りていない感覚があり、是非そこについて強化したいと考えています。留学前に何冊か買っておいた本があるでそれでインプットするのと、オンライン英会話で実際にアウトプットしていけたらと思っています。
ということで、盛りだくさんになってしまいましたが、こうでもしないと1か月家でダラけた生活を送ってしまいそうなので、一応宣言だけさせて頂きました笑
Competitive Strategy Final Exam
今日はCompetitive StrategyのFinal Examがあり、これでAutumn QuarterのFinalはすべて完了いたしました。
個人的にAutumn Quarterは非常に充実していました。いわゆる「当たり」の授業が多く、学びの量、質ともに今までで一番だと感じています。結果日々の予習復習や授業も非常に楽しく、終わってしまうのが少し寂しく感じるくらいです。
Winter Quarterも希望通りのクラスがBidを通っていますし、今からまた新たな分野を学習するのが非常に楽しみです。
この先につながる話として一つ、今更ですがEntrepreneurshipやVenture Businessに関する興味が自分の中で少しづつ膨らんできました。Technology StrategyでNew Entrants/Venture Businessに関する話を色々と学んだので、その影響が大きいのかもしれません。
この点、Winter Quarterで履修するNew Venture Strategyが正にぴったりのクラスなので、まずはここで学びながら、自分の興味を再確認してみようと思います。その上で深堀してみたい部分を、Spring Quarterの履修に反映させる、というプランです。
今日はお疲れ様ということで、家族でピザをデリバリーしました。明日はゆっくり休みながら、冬休みの予定や、やりたい事、達成したいことを整理したいと思っています。
Technology Strategy Final Exam
今日はTechnology StrategyのFinal Examがありました。
例のごとくHonor Codeがあるので詳しい内容を書くのは控えますが、3時間の論述試験はやはり疲れました…
この授業を通じて、いわゆる表面的なバズワード(IoTやCloud、ARなど)について学べただけでなく、テクノロジービジネスの大きなトレンドや、主要なビジネスモデルとその変遷の背景について学ぶことが出来たことは非常に有益でした。
「なんでこのような変化が起こるんだろうか」「今こういうステージだと、次はどんな変化が起こりそうだろうか」というモノの見方ができるだけのフレームワークとレンズを(身になっているかは別にして)教わることが出来たのは、今後様々な場面で活きてきそうな気がしています。
明日の朝にCompetitive StrategyのFinalがあり、Autumn Quarterの予定はすべて終了となります。
実はManaging in OrganizationsのGroup Writingが残っているのですが、既に自分のパートは書き終えていて、あとはほかの人のパートが完了したら提出するだけなので、実質的に明日で完了ということになりそうです。
Autumn Quarterの総合的な振り返りと、Winter Quarterへの展望、Spring Quarterではどんなことを学んでMBAを締めくくっていきたいか、についてはまた後日まとめてみたいと思っています。
まずは、明日の試験を頑張って乗り切りたいと思います。
なんでもない一日を、一年前と比較してみる
今日は特に試験の予定もなく、明日のTechnology Strategyの試験に向けて、学んだことの最終確認をしていました。といっても、予め自分でまとめたKey-terms listを見返しながら、なんとなくこんな事をやったなぁと振り返り、理解が曖昧な部分については講義スライドに戻って確認した程度です。Open-Bookの論述試験なので、なんとかなるでしょう笑
これだけだと今日のエントリーがこれで終わってしまうので、ふとなんとなく、去年の今頃と違うことは何だろう、と思い返してみました。
就活をしていた
去年の今頃は、今年の夏のインターン先を決めるため就活にかなりの時間を割いていました。具体的には、ケースインタビュー対策や、就活イベントへの出席です。今年は、特に就活は行っていないので、純粋にその分自由に使える時間が増えています。
家族と一緒に生活していなかった
去年の10月に長男を日本で出産していた都合上、去年の秋学期(2019年9月~12月)は私単身で先にシカゴに渡米し、一人で生活していました。
- ホテルで暮らしていた
単身生活のため、Airbnbで長期滞在用のホテルを3か月借り、そこで生活していました。「今ホテルで暮らしてるんだ」というとクラスメイトからは結構驚かれたので、良い話題にはなりました笑
コロナがなかった
そして、一番はこれでしょう。まさか一年後、アメリカ、そして世界中がこんな状況になっていようとは、去年の時点では全く考えていませんでした。
例えば去年の今頃は、
- 妹が日本から遊びに来ている
- グループメンバーで飲み会をしている
- 授業を教室で受けている
- 受験生がキャンパスビジットに来ている
あの頃は当たり前と思っていたことが、今は難しくなってしまっています。信じがたいことですが、私にはどうすることもできません。体調管理をしっかりして、目の前の機会やリソースに集中していこうと思っています。
Investments Final Exam終了&リモートでのテスト受験
今日はInvestmentsのFinal Examがありました。
3時間のOpen-Book形式で、完全リモートで実施されました。イントラネット上にテストがアップロードされ、各自好きなタイミングでダウンロードしてテストを実施します。イントラ上で時間も管理され、ダウンロードしてから3時間20分(試験時間3時間+アップロード準備20分)以内にイントラ上に解答ファイルをアップロードすれば完了です。
イントラ上で時間管理がされているため、3時間ぶっ続けで試験を受験しなくてはなりません。環境としては場所が教室から自室に変わったのみで、特にリモートだからと言って楽になった/難しくなったということはないと感じます。
テストの内容についてはHonor Codeがあるので詳しく書くことはできませんが、生徒を振るい落とす試験というよりは、今までに習ったことを総ざらいし、生徒一人ひとりの総合的な理解の確認に資するような内容になっていました。この傾向は、Investmentsに限った話ではなく、今まで履修してきた授業すべてに共通していると感じます。
最後に、リモートでのテスト受験に非常に役立ったツールを2つ、参考までにシェアしたいと思います。
① Adobe Scan
携帯のカメラで撮影した書類をPDF化できるアプリ。Investmentsは手書きで計算過程を示す必要があるので、一旦まとめて紙に計算式を書きなぐっておき、終わったらAdobe Scanで全部PDF化、別途Wordファイルで論述回答は作成しておいて、最後にPDFをスナップショットしてWordに統合します。提出用にWordをPDFに変換保存すれば完了です。
全部手書きだと論述問題が大変、全部Wordだと計算式と計算過程を記載するのが大変、ということで、自分はこのハイブリッド方式に落ち着きました。
② AirPods Pro
自宅でテストを受験する際、ノイズキャンセリング目的で使用。別室で受験しているとはいえ、リビングで娘と息子が遊んでいるので、結構な音量で声がなだれ込んできます笑 テストに集中するため、特に音楽は流さず、ノイズキャンセリングだけオンにして使用しています。
リモート環境においては、ノイズキャンセリングイヤフォン/ヘッドフォンは必須ツールだと感じます。と言いつつ、大切な就職面接のために、一応有線のマイク付きヘッドフォンも持っていて、必要に応じて使い分けています。
イヤフォンについては、滅茶苦茶リサーチした結果、AirPods Proに落ち着いたのですが、ここら辺についてはまた整理のために別エントリーにできたらと思っています。イヤフォン大好きなので。。。笑
今週は水曜日にTechnology Strategy、木曜日にCompetitive StrategyのFinalがあるので、引き続き各授業の総復習を進めていけたらと考えています。